一覧ペェジに戻りますヨ

板鬼

Itaoni
系統 : 鬼・魔物
『今昔物語集』に登場する妖怪。 原典では「板の鬼」と呼称されテいやス。
この場合の”鬼”は妖怪の総称を意味しておリ、この板鬼の名は「板の妖怪」を意味しやス。


 見た通り、板の姿ヲした妖怪でやんス。
 一見すると弱そうな印象でハありやすガ、その伝承は残忍かつ凄まじイ内容トなっておりやス。



 或る年の夏の夜の事。 
 若い二人連れのお侍さんが宿直の晩に当たっておりました。 
 二人は初めて宿直に当たった事で興奮さめやらず、眠らずに太刀を携え色々な話に花を咲かせておりました。 
 会話中に一人がふと何気なく見上げるとー、
 棟の上に壱枚の板が突き出ております。 
 「なんだあれは?」
 と二人が見ていると、なんと板は漆〜捌尺(約2.1〜2.4メートル)程に伸び、
 屋根を飛び出すと、ひらひらと舞うように二人に近づいてくるではありませんか! 
 「おのれ! さては鬼の仕業に相違あるまい!」
 と二人は太刀を抜き、板を睨みつけます。

 すると板は二人の方ヘはそれ以上は近寄っては来ず、脇に逸れると格子の狭い隙間からするりと宿直番の控え所に入っていったのです。 
 「ややっ、ここには今時分には伍人の侍が寝ている筈!」 
 間もなく中から大きな音と、苦しそうな唸り声が聞こえてきました。 
 二人は驚いて大声で呼び立てて周りの家々の人を起こすと、皆で灯火を携えて件の控え所に踏み込んだのです。 
 しかし、そこには押し潰されて冷たくなった伍体の仏様が転がっているばかリ。 
 あの怪しい板の姿は、もうどこにモありませんでしたー。 
 
 以来、男子たるものいついかなる時も太刀を持つことだけは忘れてはならぬ、と皆々戒め合ったのだそうです−。 
 
 
 
 寝ていて無防備だっタとは言エ、年頃の若い男を伍人も潰しテしまう程の凄まじい力を持った妖怪でやんス! 
 そんな力があったのなラ、寝込ミを襲ウなんて卑怯な真似しなくても刀を構えた当番の二人にも正々堂々と勝てタのではなイでやんしょうカ…?
 伝承からは卑怯な妖怪デある印象が強イでやすガ 
 しかして彼は”倒し易い者から狙う”と言う兵法の基本に忠実なだケかも知れやせン。 
 人間の皆さンだっテ、ゲェムで遊んでる時は群レから逸れたり油断し切っている間抜ケな敵がいたラ、その者を最優先で狩る事でやしょウ?w 
 是を見ていルそこの貴方モ、夜油断し切っているトどこかで板鬼が貴方の命を狙っていルかもしれやせんヨ〜? 
 無論、信じルも信じなイも其レは人間の皆さンの心持ち如何… 
 もけけけけけけけケ…!



一覧ペェジに戻りますヨ