八尺様 hassyaku-sama |
系統 : 魔人・怪人 現代の都市伝説の怪異の中では代表格とも言えルほど有名な妖怪でやんス。 伝わっている衣装かラ、昨今は萌え絵で描かれる事が多イでやんすガ…。 |
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その名の通り八尺(2メートル40センチ)もの長身を持ツ、白いワンピィスに包まれた大女の妖怪でやんス。 「ぼぼぼぼ」と男のような声で変な笑い方をすルのが特徴でやんス。 外見には諸説あリ、絵のような若い女性の姿の時もあれバ、年頃はそのままに喪服を着ていたリ、留袖(とめそで)の老婆だったリ、野良着姿の中年女性の時もあルと言われておりやス。 まタあっしの絵では白い帽子にしておりやスが、大きな赤い帽子を被っている(必ず頭に何か乗せている模様)と言われておりやス。 古典的な妖怪資料に伝わっている話はなク、主にネットの世界でのみ存在が確認されやス。 その初めて世に現れタお話ハ、平成廿(2008)年捌(8)月廿陸(26)日。 大型匿名掲示板「2ちゃんねる」のカテゴリー”オカルト板”のスレッド「洒落にならないほど恐い話を集めてみない?196」に投稿されたものダと言いやス。 それは当時高校生だった諭吉さん(仮称)が春休みに父方の実家に滞在した時のお話。 縁側で諭吉さんがくつろいでいると、どこからともなく奇声が聞こえてきた。 「ぽぽ、ぽぽっぽ、ぽ、ぽっ…」 どこから聞こえているのかと周りを見渡すと、生垣の上で白い帽子が横に動いている。 生垣の切れ目から帽子を被った白いワンピースの女が歩いているのが見えた。 「生垣の高さは2メートルもあるというのに背の高い人もいるものだなあ!」 その時は呑気にそう思っていた諭吉さんだったが、祖父母とお茶をすすりながらその話をすると… 祖父母の態度が一変する。 何でもその大女こそ、村に伝わる「八尺様」と呼ばれる化け物で、魅入った人間を取り殺してしまうのだと言う。 諭吉さんは、魅入られてしまったのだ。 八尺様の手から諭吉さんを逃がすために祖父や一族の者が総出で手を打った。 まず村の拝み屋を呼んできて部屋に結界を施して諭吉さんをそこに匿った。 それは壁にはお札が貼られ、部屋の四隅には盛り塩、中央には仏像を置くと言うもの。 もう日が暮れてしまっている為、朝までそこでしのぐと言うのだった。 諭吉さんは言われるがままにそこで夜を明かそうとするが、午前1時過ぎに窓ガラスを叩く音がして 祖父が自分を外に誘い出そうとする声が聴こえた。 諭吉さんは思わずドアに近づいたが、 「朝まで自分たちから話しかけることも呼ぶこともない」 と言い残していた祖父の言伝を思い出し、思いとどまった。 隅に目をやると、盛り塩は黒く変色していた…。 翌朝、祖父母に迎えられ階下に下りると、9人乗りのワンボックスのバンが用意されていた そこに乗っていた者は全員が一族の者。 それで八尺様の目を出来るだけ欺こうと言うものだった。 「これからは目を閉じて下を向け、決して目を開けてはならない」 と指示されバンが発車。 間もなく、「ぽぽ、ぽぽっぽ、ぽ、ぽっ…」という声が聞こえてきた。 薄目を開けてみると、車と並走する白いワンピースが目に入る。 さらに、「コツ、コツ、コツ…」とガラスを叩く音まで聞こえてくる。 全員、生きた心地がしなかった。 やがて八尺様の行動圏から出れたのか、声と音が途切れた。 逃げ出す事に成功したのだった。 握りしめていたお札を見ると、黒く変色していた。 しかしいつまた魅入られるか分からないので、それ以降祖父母の家には行けなくなってしまった。 あれから十年の月日が流れ、そんな事もあったかと忘れかけていた時祖母から電話があった。 「八尺様を封じている地蔵様が誰かに壊されてしまった。それも諭吉の家への方角のものがな」 と言う…。 (「2ちゃんねる」オカルト板「洒落にならないほど恐い話を集めてみない?196」より再構成) その昔、熊野の山中では身の丈八尺モある山女の死骸を見タ、と言う話がありやス。(江戸時代 岡田新川著『秉穂録』より) 男を取り殺スという話に関してモ、山女と出会っタだけで病気になって死んダ、笑いかけられタため笑い返したら死んダ と言ウお話と似ているとこロはありやス。 まタ、身内の言葉を真似テ(人間を)おびき出そうとしタ、というエピソォドは 更ニそのまた昔、平安京の羅生門(一条戻橋とも言う説も)にて自分の片腕を斬り落とした渡辺綱ヲ 乳母を騙って門を開けさセ、鬼の腕を出させタと言う茨木童子の一節に非常に似ていやス。(『平家物語』「剣巻」より) でハ、八尺様とは現代の日ノ本に適応していった山女や鬼なのでやんしょうカ…? 昨今のSNSでハ、特に若い少年を付け狙う萌エお姉さンとして描かれる事が多い彼女でありやすガ、 何故そんなネタにされるほど子供を狙ウのでやんしょうカ… まぁ野暮でやしたかネ。 人間の皆様だっテ、若い肉の方が美味しく戴けるでやしょウ? 彼女の足を止めていた地蔵菩薩が壊されてしまった今、次に彼女に魅入られルのハそこの貴方かも知れやせんヨ~? 無論、信じルも信じなイも其レは人間の皆さンの心持ち如何… もけけけけけけけケ…! |